小説 書き出し集

発行者: 26.08.2021

加勢:これは僕個人の考えなのですが、物語が「リアル」からかけ離れたファンタジーであればあるほど、そしてその作品内容がシュールであるほど、書き出しは大事なものになってきます。この『西瓜糖の日々』は、タイトルからして、意味がわからない。そうした「わけのわからなさ」に対して、その世界独自のルールや概観を提示するのが書き出しの本来の役割ですが、この冒頭文を読むと、 そもそも親切に説明する気が書き手にはないのだ、 ということがわかります。. 小説は書き出しが命!昭和文学に学ぶ冒頭文の「反則テクニック」5選。 小説の書き出しに注目すると、作家たちが創作に込めた工夫とテクニックが見えてくるもの。「定番ネタ」にひねりを加えた書き出しから、「そんなのアリ!? あなたの好みを、Gatewayへ伝えますか? アイテムを「お気に入り」すると、お気に入りタブからまとめて閲覧できます! 今後、このメッセージを表示しない.

あなたの好みを、Gatewayへ伝えますか? アイテムを「お気に入り」すると、お気に入りタブからまとめて閲覧できます! 今後、このメッセージを表示しない. 辻村深月の名言10選【あの日の自分に届けたい】 年本屋大賞を受賞した『かがみの孤城』をはじめ、少年少女に寄り添う優しい作品を多く執筆している作家、辻村深月。辛いことがあったとき、心の支えになってくれるであろう名言を紹介します。. 加勢:ポップソングを聴けばまず開始数秒のイントロを耳にすることになるのと同じ理屈で、「小説を読む」ということを順序立てて考えれば「書き出し文を読むこと」とイコールになりますよね? なので、あえて極論を言えば、「小説の紹介は何よりもまず書き出し文の紹介であるべきだ」とさえ僕は思うんです。.

アイテムをライクするには、ログインが必要です。 ログイン 楽天会員登録(無料). 加勢:そうとも言えますね。「語られている内容」と「行間で進行している内容」その食い違いについて、読者は行間から感じ取るしかないのですが、その気づきとなる最初のきっかけが、このアンバランスな書き出しです。平静とはいえない、異様なテンション。作品を読んでいくと、 「笑わなければ死んでしまう」 といった表現も出てくる。. いま、こうしてわたしの生活が西瓜糖の世界で過ぎてゆくように、かつても人々は西瓜糖の世界でいろいろなことをしたのだった。あなたにそのことを話してあげよう。わたしはここにいて、あなたは遠くにいるのだから。   あなたがどこにいるとしても、わたしたちはできるだけのことをしてみなければならない。話を伝えるためには、あなたのいるところはとても遠く、わたしたちにある言葉といえば、西瓜糖があるきりで、ほかにはなにもないのだから。 [出展:リチャード・ブローティガン著・藤本和子訳「西瓜糖の日々」河出文庫刊 P9].

他にも大ベストセラー 『世界の中心で愛を叫ぶ』 の冒頭文、「朝、目が覚めると泣いていた。いつものことだ。」などなど、 「どいつもこいつも目覚めすぎ!」 と食傷気味になるくらい、目覚めの情景から始まる小説は枚挙にいとまがありませんね。.

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面白い科学現象まとめ【物理・化学など】

アイテムをライクするには、ログインが必要です。 ログイン 楽天会員登録(無料). 加勢:そうとも言えますね。「語られている内容」と「行間で進行している内容」その食い違いについて、読者は行間から感じ取るしかないのですが、その気づきとなる最初のきっかけが、このアンバランスな書き出しです。平静とはいえない、異様なテンション。作品を読んでいくと、 「笑わなければ死んでしまう」 といった表現も出てくる。.

加勢:確かに、この冒頭文はリズミカルな文章で意気揚々と書き出されているように見えるのですが、よくよく読んでみると「自分のことではちきれそう」「じつは第一行から[…]意志などのない混乱におちいっている」などと、なんとも頼りないことを書いています。実はこの書き出し文、「わたし」を連呼していることからも分かることなのですが、 当時文壇を席巻していた「私小説」のパロディとなっている のです。. ロレンスの代表作ですね。その性愛描写によって発表当時は発禁処分を受けましたが、この小説によってロレンスは、疲弊した第一次世界大戦後の世界に「性愛への回帰」による救済を示したというのが現代における一般的な理解です。 ——壮大なテーマだ。書き出しも、なんとも物々しいですね。 加勢:ここで語られているテーマは「悲劇の時代」を我々がどう受け止めるかということなのですが、いかにも第一次世界大戦後の西欧世界の混沌について語っているようで、よく読むとこの書き出しはかなり変なことを言っています。 これは、この本の最新訳を手がけている武藤浩史さんという方も強調していることなのですが、ロレンスはここで「この時代は悲劇的なものだが、私たちはそれを悲劇的だと受け止めない」と言っているのではありません。つまり、「どんなに辛くたってへこたれないぜ!」というポジティブシンキングとは若干様子が異なっている。 ヒソカ 死亡 復活 ——なんだか、「嘆きたいのは山々だけど、しょうがないから現実には目をつぶろう」とでも言いたげな、投げやりな現実否認の態度ですね。 加勢:そうですね。すると、「何度空が落ちてもぼくらは生きなければならない」という一文でさえも、どこか諦めのため息のように聞こえてきます。このように、冒頭の解釈が一つ変わるだけで、作品全体を読む視点も大きく変わってくるのです。.

谷崎潤一郎、川端康成、江戸川乱歩……文学の歴史を遡れば、危険なフェチの持ち主である小説家がたくさん! この記事では、そんな「素晴らしきフェチ文学の世界」を実際の小説とともにご紹介します!. 加勢:そう、投げっぱなしジャーマンなわけです(笑) このように、語り手が語れば語るほど、読者の体験している世界とこの「西瓜糖の世界」は何かが違うらしいことが次々にほのめかされる。作品全体の不思議なテンションがここでわかります。.

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小説の書き出しのコツはとにかく、かますこと

他にも大ベストセラー 『世界の中心で愛を叫ぶ』 の冒頭文、「朝、目が覚めると泣いていた。いつものことだ。」などなど、 「どいつもこいつも目覚めすぎ!」 と食傷気味になるくらい、目覚めの情景から始まる小説は枚挙にいとまがありませんね。. ロレンスの代表作ですね。その性愛描写によって発表当時は発禁処分を受けましたが、この小説によってロレンスは、疲弊した第一次世界大戦後の世界に「性愛への回帰」による救済を示したというのが現代における一般的な理解です。 ——壮大なテーマだ。書き出しも、なんとも物々しいですね。 加勢:ここで語られているテーマは「悲劇の時代」を我々がどう受け止めるかということなのですが、いかにも第一次世界大戦後の西欧世界の混沌について語っているようで、よく読むとこの書き出しはかなり変なことを言っています。 これは、この本の最新訳を手がけている武藤浩史さんという方も強調していることなのですが、ロレンスはここで「この時代は悲劇的なものだが、私たちはそれを悲劇的だと受け止めない」と言っているのではありません。つまり、「どんなに辛くたってへこたれないぜ!」というポジティブシンキングとは若干様子が異なっている。 原文はそうではなくて、「この時代は悲劇的なものなので、私たちは悲劇的な捉え方を拒絶する」と書いています。ButではなくSo、逆接ではなく順接になっているところがポイントです。 ——なんだか、「嘆きたいのは山々だけど、しょうがないから現実には目をつぶろう」とでも言いたげな、投げやりな現実否認の態度ですね。 加勢:そうですね。すると、「何度空が落ちてもぼくらは生きなければならない」という一文でさえも、どこか諦めのため息のように聞こえてきます。このように、冒頭の解釈が一つ変わるだけで、作品全体を読む視点も大きく変わってくるのです。.

加勢:個人的に好きだから、という理由もあるのですが、この小説の中で漱石はかなり意欲的な技法をたくさん試しています。 例えば最初の一文は、夢の中の光景。外界で聞こえる「足音」が「俎下駄」というイメージとなって主人公の頭の中にぶら下がっている、とあります。なんともシュールな感覚を与える一文ですが、目が覚めた先には「八重の椿が一輪畳の上に落ちている」という一文が続きます。「落下」、「下降」の運動ここで表現されているのですが、 この短い文章内で印象付けられるどこか不安定な感覚が、作品全体のトーンを決定づけている と言っていいかもしれません。.

とある大学の小説の書き方講義にて

説得力のある文章を書きたいというあなた! 誰かを「そそる」文章を書きたいというあなた! 文章の 「書き出し」 に工夫をしてみてはいかがですか? 書き出しは、ポップソングでいえば「開始10秒のイントロ」、漫才でいえば「つかみのボケ」、飲み会でいえば「一杯目のビール」。読み手のハートをぐっと捉えて期待感をあおるという、非常に重要な役割を持っています。 他の人が書かないような書き出し、ひとヒネリ加えた書き出しを身に付けたいのなら、 文学作品を参考にするのが一番 です。 今回は、昭和の文学作品を題材に、思わず「こんなのアリ?」とのけぞってしまうような「反則テク」を5パターン紹介いたします。 太宰、三島、芥川…大作家たちの書き出しテクまとめ 1. 加勢:それには小説を取り巻く当時の時代状況が関係しています。文学が今よりも活気を帯びていた頃は、 作家が作品を発表するという行為は、それ自体が先行する世代の作家や作品群、そしてそれを取り巻く言説に対する批評性を持っていました。 「佳人」は石川淳にとってデビュー作となる小説なのですが、その冒頭文は、それまでの文学史を俯瞰した上で批評するような、一種のコメンタリーの役割を果たしているのですね。 文学史だけでなく、「時代背景」や「作家の半生」など、作品を取り巻くコンテクストを踏まえるだけで、作品の細部の解釈がよりクリアになることがあるので、時には歴史家になったつもりで小説を読むのも楽しいですよ!.

加勢:ある意味では、「読書」は「格闘」だと言えるのかもしれません。作者が繰り出す数々のパンチをすべて受け切ってから、読者が小説の世界を改めて見渡すと、「そういえば、あの書き出しよくわからなかったけどどんな感じだっけ」と思えてくる。そうして最初の1ページを振り返ることで、小説全体に仕掛けられた作者の意図について新たに気づきが得られることもたくさんあります。 なので、僕から紹介させていただく文学作品は、どれも大衆向け小説のように「グイグイ引き込まれて、一気に読み終わってしまう」といった文章で書かれたものばかりではないということをあらかじめお伝えしておきたいと思います。 それでもよければ、もう一度来てください、本当に面白い小説の書き出し文を紹介しますよ。.

楽天市場: 楽天市場は欲しいものがきっと見つかるオンラインショッピングモール。4万店以上の個性豊かなショップが集まって、幅広い品揃えと楽しいお買い物体験を提供します。. 加勢: イギリスの作家、D.

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【シャッフル】文字入れ替えクイズ【アナグラム】

加勢:これは本当に大好きな小説であり、本当に大好きな書き出しです。「走る」「踊る」「笑う」という動詞の連続から、次々と放たれる過剰なアクション……。でも、この落ち着きのなさに、 「幸福ホルモンが過剰に出ていて、バランスを失った精神状態」 を感じ取ってしまうのは僕だけでしょうか。. 加勢:そう、投げっぱなしジャーマンなわけです(笑) このように、語り手が語れば語るほど、読者の体験している世界とこの「西瓜糖の世界」は何かが違うらしいことが次々にほのめかされる。作品全体の不思議なテンションがここでわかります。. 加勢:個人的に好きだから、という理由もあるのですが、この小説の中で漱石はかなり意欲的な技法をたくさん試しています。 例えば最初の一文は、夢の中の光景。外界で聞こえる「足音」が「俎下駄」というイメージとなって主人公の頭の中にぶら下がっている、とあります。なんともシュールな感覚を与える一文ですが、目が覚めた先には「八重の椿が一輪畳の上に落ちている」という一文が続きます。「落下」、「下降」の運動ここで表現されているのですが、 この短い文章内で印象付けられるどこか不安定な感覚が、作品全体のトーンを決定づけている と言っていいかもしれません。.

説得力のある文章を書きたいというあなた! 誰かを「そそる」文章を書きたいというあなた! 文章の 「書き出し」 に工夫をしてみてはいかがですか? 書き出しは、ポップソングでいえば「開始10秒のイントロ」、漫才でいえば「つかみのボケ」、飲み会でいえば「一杯目のビール」。読み手のハートをぐっと捉えて期待感をあおるという、非常に重要な役割を持っています。 他の人が書かないような書き出し、ひとヒネリ加えた書き出しを身に付けたいのなら、 文学作品を参考にするのが一番 です。 今回は、昭和の文学作品を題材に、思わず「こんなのアリ?」とのけぞってしまうような「反則テク」を5パターン紹介いたします。 太宰、三島、芥川…大作家たちの書き出しテクまとめ 1.